買い物大騒動

 

「あ〜あ・・・・・・。からっぽだ。」
 冷蔵庫の中を見てため息をつく緑帽子のヒゲ男、ルイージ。数多のスマブラメンバーの中でももっとも主夫っぽい(?)のを買われ、荘内でも家事全般をいるのだった。
ルイージ(以下ルイ)「こりゃ買い物に行かないと。人数増えたから1回じゃ終わらないかも・・・。」
 最初の頃も決して楽だったわけではないのだが、一気に人数が倍以上になったため、食料の減りが半端ない。
 なので買い物は1回で終わらない事が多いのだ。
 どうしようか考えていると。
??「ルイージ、買い物に行くの?」
 声をかけてきたのは赤いキャップ帽、青と黄色のボーダーシャツがトレードマークの少年、ネス。
ネス「行くならついてってもいい?」
 ネスは買い物と知るやよくルイージについていって手伝いをしてくれるのだが・・・・・・。
ルイ「いいけど、オマケ付きのお菓子は1個だけだよ?」
ネス「あ〜、バレちゃったか〜。なんでわかるのさ?ルイージってエスパー?」
ルイ「それはキミの方だろ?それに最近キミはカードを集めてるでしょ?」
ネス「う・・・気付いてたの?」
ルイ「前に買い物行った時にまざってたからね。それも10個も。」
ネス「どきっ!;」
ルイ「大人買いはもっと大きくなってからにしなよ?自分で買いなよ?」
ネス「ぶ〜〜〜〜〜・・・・・・。」
 ルイージはネスをたしなめると、買い物袋を大量に持って外へ出る。



ルイ「えーと、車、車・・・・・・。」
 買い物は常にまとめ買いなので、車が欠かせない。
 ここには最近入ったカートが何台かあるので、大型のカートを探していると。
??「おう、ルイージ。出かけるのか?」
 ふいに声をかけてきたのは筋骨隆々としたいい体格をした男。
ルイ「あ、ファルコンさん。買い物に出かけるんだけど・・・。」
ファルコン(以下ファ)「買い物?」
 ルイージの答えにファルコンはにっと笑みを浮かべる。
ファ「なら私の愛機に乗ってけ♪速い方がいいだろ?」
ルイ「えっ、いいの?ネスも一緒だけど、大丈夫?」
ファ「・・・・・・まあ、詰めれば何とかなるだろう;」
ルイ「・・・・・・・・・無理あるでしょ?スペース的に;」
 ファルコンの愛機、ブルーファルコンのコックピットを見て、ただつぶやくしかないルイージであった。



ファ「・・・・・・じゃあ、行くぞ。シートベルトはしっかり締めておけよ。」
ネス「・・・・・・シートベルトったって・・・・・・。」
ルイ「・・・・・・・・・こんなぎゅうぎゅうで無理だって。」
 ブルーファルコンのコックピット内。運転席のファルコンの両端にぎっちり押し潰されそうにへばりついているルイージとネスだった。
ファ「そもそも一人乗りだしな。ま、気にするな!」
ルイ&ネス気にするわ!!
 かなり楽観的なファルコンに二人はすかさず突っ込むのだった。 ファ「で、ルートはどうするんだ?」 ルイ「うん、モンテ商店街で食材を買って、最後にロンロン牧場で牛乳を買うから、そのルートでお願い。」
ファ「牛乳ならリンクに頼めば持ってきてくれるだろ?」
ルイ「んー、今日のご飯に使いたいから、すぐに欲しいんだよ。」
ファ「・・・・・・必要最低限にしてくれよ。ビンの保障はできないからな。」
ルイ「あの〜、安全運転でお願いします;」
 常にスピード重視の運転をするファルコンに不安を隠せずにいるルイージだった。

 商店街に到着したのは、出発してからわずか三分のことだった・・・・・・。
 ちなみに、普通に行けば20分はかかる・・・・・・ハズ。

ファ「着いたぞー。モンテ商店街。」
 コックピットのすし詰めもものともせず、けろりとした様子のファルコン。
ネス「相変わらず速いねー。ブルーファルコン。」
 エフゼロマシンの驚愕的な速さに感心するネス。
ファ「いや、障害物がなければもっと速くいけるぞ。」
ネス「障害物って・・・。事故はダメだからねー。」
ルイ「・・・・・・・・・・・・・・・。」
 楽しげに談笑する二人とは対象的に、ぐったりとした様子のルイージ。
ネス「どうしたの、ルイージ?・・・酔ったの?」
ファ「相変わらず弱いなー・・・・・・生きてるか?」
ルイ「・・・・・・もう、3人乗りは二度としない・・・・・・。
 ルイージはコックピット内の惨劇(?)を体験し、酸欠状態となっていたのだった・・・・・・・・・。

 それでも、ふらつく身体を引きずるように商店街へ向かうルイージの姿があったとか・・・・・・。

ルイ「よっと・・・。こんなところかな。」
 大量の食材を抱えてブルーファルコンに戻ってきた3人。数が多いので、分担して買い出していたのだ。
ルイ「二人がいてくれたから、1回で済んだよ。ありがとう。」
ネス「さっきまでヘロヘロだったのに、よくあれだけ歩き回ったよね〜。」
ルイ「同じ物を扱うお店もあるからね。面倒でもなるべく安く買わないと。」
ファ「やけに時間がかかっていたな。そういえば値段交渉もしてたな・・・。」
ルイ「うちには大食いが何人もいるからね。まとめ買いすれば話聞いてくれることあるし。」
ネス「とにかく次は牛乳だよね?早く行こうよ!」
ルイ「その前にネス、・・・・・・その袋の山は・・・・・・・・・。」
 ルイージはネスのリュックからはみ出した何かに気がついた。
ファ「・・・・・・こりゃまたずいぶん買ったな〜。」
 あわててリュックを後ろにするネス。それは・・・・・・。
ファ「ポケモンカード?」
ルイ「最近集めてる・・・・・・?」
ネス「こ、これは自分のおこづかいで買ったやつだよ!」
 そう言いながらも動揺しているのがバレバレ。おこづかいで買ったにしては多いような・・・・・・?
ルイ「責めてるわけじゃないけど・・・・・・ファルコンさん?もしかして、買ってあげたの?」
ファ「ま、まさか。ただ、・・・・・・。」
 いきなり話を振られてファルコンに動揺の色が。
ルイ「お金出したんだね;まあ今回は手伝いしてくれたからいいけど・・・でも、おこづかいの前借りはもう聞かないよ?」
ネス「はーい。わかりましたー。(棒読み)」
ルイ(あ、またくるな・・・・・・。)
 単調なネスに苦笑いなルイージ。
ファ「おーい、もう行こうか?辺りが混んできて、出にくくなるぞ?」
ルイ「そ、そうだね。帰りが遅くなっちゃう。」
ネス「ちょっと待って。・・・・・・なんか、静かになってない?」
 ネスが商店街の方を見ている。
ファ「そういえば・・・・・・そうだな。」
 先程までは賑やかだった商店街が、いつのまにか妙な静けさだ。
ルイ「なんか気になるね・・・。様子を見に行こう。」

 3人が商店街に戻ってみると・・・。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』

 そのとき、3人が見たものとは・・・・・・!?

 ・・・・・・♪〜♪♪♪〜♪〜♪♪〜♪〜♪♪〜♪〜・・・・・・

 心地よい歌声だ。そう、あまりに澄んだ歌声で、聴き入っているうちに別の世界へ引き込まれるような・・・・・・。
ファ「あ〜・・・・・・いい歌だな・・・・・・。」
ネス「でも、なんかさ・・・・・・。」
ルイ「どこかで聴いたこと、あるような・・・・・・?」
 とても穏やかな気分になると同時に、まどろんでいく様子の3人。

 そして、3人の意識はしだいにおぼろげに・・・・・・。

??「・・・・・・何?急に静かになっちゃって〜。」
 歌が止んで、しんと静まりかえった商店街ではっきり聞こえた不服な声。
 声の主は薄いピンクの球体・・・と思いきや、ピンとたった耳、エメラルドグリーンの大きな瞳が特徴的な生き物。
「わたしはただ歌ってただけ〜。このプリンちゃんの歌でダウンするなんて、ムカムカする〜。」
 プリンはその大きな瞳をややつりあげて(?)眠ってしまった人達を軽くはたく。
 でも、起きない。
プリン(以下プリ)「リサイタルの途中で寝ちゃうなんて、失礼しちゃう。」
 プリンはどこからかマジックを取り出し、眠っている人達の顔をごそごそといじる。
プリ「もう、誰も彼も・・・・・・あれ?」
 プリンは何かに気がついた。
 それは、異変を感じて商店街の様子を見に来たルイージ、ファルコン、ネスの3人だった。
プリ「ルイージ達まで・・・。なんかショック・・・・・・!」
 プリンはマジックを強く握りしめ、3人の顔をささっといじる。
ルイ「・・・・・・う・・・・・・う〜ん・・・・・・・・・。」
 いじってる間にルイージが目を覚ました。他の二人も同様だ。
プリ「あ、目、覚ました。」
ルイ「ん・・・あ、プリン!?」
 プリンの姿を確認するとともに、ばっと跳び起きるルイージ。
ネス「わー!何この顔!?」
ファ「げっ!メットまでやられてる!!」
ルイ「あー!よく見たら僕も!;」
 そう。3人の顔はプリンによって見事なまでにラクガキされていたのだ。
プリ「わたしの歌で眠るなんて、許さないんだからねー。ペナルティってやつ?」
3人やかましいわ!どうしてくれるんだ、この顔!!
 怒鳴る3人だが、ラクガキされた顔だとイマイチしまりがない;
プリ「まあまあ、水性ペンだから洗えば落ちるってvそれじゃあね〜v」
 そう言ってその場をあとに空中に跳ぶプリン。
ネス「あ、コラ!」
ファ「逃げる気か!?」
 ネスとファルコンはプリンを捕まえようとするが、空中でのプリンの動きは機敏でなかなか捕まらない。
 そんな様子の中、取り残されたルイージは・・・・・・。
ルイ「あ〜あ・・・こりゃまた当分帰れそうにないなぁ・・・。まだ寄るところがあるのに;」
 ルイージはおいかけっこを繰り広げる3名を落ち着かせるべく、その場に入っていくのだった・・・・・・。



 そして、いつまでたっても買い物から帰ってこないルイージ達を、他のスマブラメンバーは必死で探し回ったとか・・・・・・・・・。




                                                 END

時乃光様からのリクエストで「スマX準レギュラーで小説」でした。
過去の小説と比べると一部で性格や呼び方が違っていますが、これは管理人のキャラの捉え方が変わったと解釈して下さい(^^;
プリンのあの行動はアニメ影響が残っていたので、やってしまいました(笑)。本人としては眠らせるつもりはなかった模様で・・・。
「え?え?」な展開ばかりの上、少々読みづらい文体ですみません。それでもお気に召して頂ければ幸いです。

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