13話:ショッピング・サプライズ
「な〜んか、すっごく久しぶりな気がするな。」 そんな風に独り言をぼやきながら、僕は冷蔵庫の中をあさる。 ご無沙汰してます。僕はルイージ。ここスマブラ荘での家事(全部)担当なんだ。‥てか、誰ひとりとしてやらないから、自然と僕がやってるんだけど。 ・・・と、いうか、人数多すぎるから!いつか倒れるかも(涙) 「あ〜あ、やっぱ足りなくなってる・・・。」 冷蔵庫の中の食材がだいぶ減っていた。今は夏だし、冷たいものが光速で減ってっちゃう。 ・・・ま、あれだけの人数分を用意するのに、あっという間に空っぽになっちゃうからね。 仕方ないから、買出しに行こう。一人じゃ大変だから、誰か連れて行こうかな。 「と、いうわけで、買い物に行ってくるけど、行く?」 僕は皆に声をかけていった。今日はなぜか皆いる。 まずはリビングにいるリンク君(大)、マルス君、ロイ君、フォックス君、ファルコ君に聞いてみた。 「いつものように、大荷物なんですよね?だったら俺も手伝います!」 ・・・リンク君、ありがとう。助かるよ。 「ぼくもついていっていいかな?ヒマだし。」 いいよ、それでも。ちょっと手伝ってもらうかもしれないけど。 ・・ちなみに、他の3人はやることがあるとかで留守番してるって。・・・ファルコ君は面倒なだけかもだけど。 ただ、3人から買ってきてほしいものがあるってことで、買い物メモを渡された。 僕はそれをポケットにしまって2階へ声を掛けに行った。 2階には兄さんにファルコン、クッパ、ガノンドロフがいたはず。・・たぶん行かないだろうけど、いちおう。 「いや、やめとくわ。」 ・・・ほらね。普段の買い物だとたいてい断ってくるんだ。兄さんってば。 「ワガハイが行ってどうする。」 「まったく、同感だな。」 大王コンビはでかい態度で拒否。相変わらずだなぁ。 するとファルコンが出てきて、僕に紙切れを差し出す。 「出かけるんなら、これら買ってきてくれねぇか?俺ら、これから借りてきたDVD見ないといけないからな!」 えっちなDVD? 「ち・・・違うわ!そ・・そう、F−ZEROのレースDVDだ!・・じゃ、頼むぜ!」 ・・・一方的に言って、すぐに引きこもっちゃったよ。・・・やれやれ。 で、僕は外にいるほかのメンツに声をかける。・・・別に面倒になったわけじゃないよ?みんな外にいたし。 まずはそばにいる女性のみんなに声をかけた。 「あらルイージ、買い物に行くの?だったらキノコティー買ってきてくれない?切らしちゃって。」 ピーチ姫は遠慮なしにお使いを頼んでくる。・・・いいんだけどさぁ。 「あ、じゃあさ、これも買ってきてくれない?ついでだしさ。」 サムスまで・・。ついででも重なると大きくなるんだよ? 僕はサムスからメモを受け取る。と、一緒にいたゼルダ姫と目があった。 「あ、わ、私は特にないですから、気にしないで下さい。」 ・・・よかった〜、さらにきたらどうしようかと思っちゃったよ。 あとは、子供たちと動物衆かな・・? 『え、買い物?行く行く〜!!』 声をそろえて名乗りを上げたのは、ネス君とカービィだ。 「ルイージさん、ぼくも行っていい?」 さらに声をかけてきたのは小さいリンク君だった。この3人は買い物と聞くと、いつもついてくるんだ。 「ねえ、出かけるならアイス買ってきてくれない〜?」 不意にナナちゃんがメモを差し出してくる。 「いいけど・・このメモは一体・・。」 「アイスの種類よ〜。これだけ買ってv」 ・・・一人で食べるの?たくさん書いてあるけど。 「ポポの分もよ。暑くて暑くてダレそうなの〜。」 よく見ると、木陰の涼しそうなところでポポ君がダレていた。 普段雪山で登山活動してる二人には、この暑さは耐えられないようだ。 まあ、それはいいとして・・。 僕としては、あとどうしても手伝ってほしい人(?)がいるんだけど・・。 「ドンキー!ヒマ?」 「ルイージ?どうした??」 今回の買い物は正直大規模だ。クッパやガノンドロフ、ファルコンが速攻留守番を決めた以上、力自慢は彼しかいない! 僕はそれを見込んで、ドンキーに買い物の手伝いを頼み込んだ。 「いいよ、バナナくれるなら♪」 「OK♪」 そのとき、ドンキーと一緒にいたヨッシーやピカチュウ、ピチューとプリンが駆け寄ってくる。 「お出かけ?ちょうどよかった〜。」 「どうしたの?ヨッシー。」 「庭の花壇に使う肥料がなくなっちゃって。買ってきてくれる?」 ・・・よりによって、大荷物を・・・。 『ぼく達のおやつもおねが〜いv』 ピカたちもおねだりをしてきた。 「・・しょうがないなぁ。買ってくるよ。」 なんか、早く行かないと、注文が増える一方だ。 さっさと行こう。 ミュウツーとゲームウォッチは縁側でお茶してたし、さらに「いってらっしゃい」とばかりに手を振ってたので、 ここにいるつもりだろう。 邪魔するのも悪いし、さっさと出かけようか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・。 「おや、ルイージ君たちじゃないか。」 裏側から出てきたドクターと鉢合わせる。 「買い物かね?」 「は、はい・・・。」 ・・・何か、頼まれるのかな? 「それならこれ、取ってきてくれないか?」 そう言って、メモを差し出す。・・・何枚目だろ。 僕はメモを見る。 中身は、自分ではぜんぜんわからない薬品の番号や医療器具の品番だった。 これは素人が行っても門前払いされるお使いだろう。 「これ、自分で行って来て下さいよ!薬品とかあるんでしょ!?」 「むう・・ついでにと思ったのだが・・・。」 そもそもそういう薬品って病院とかにあるんじゃないっけ? これは医師が行かないとマズイだろ? 駆け足で僕たちは外出した。 時間はかかったが、人手を確保した僕は、商店街へ向かった。 この商店街はたくさんの店が並んでいるんだ。僕もよくここで買い物するんだ。 「ねぇ!」 ふと、声を掛けられる。子供たちがみんなして僕を見てる。 「ぼくら行きたいとこあるんだけど、行っていい?」 ああ、好きなとこ行きたいんだな。この子ら。 「いいよ、ただ、これも買いに行ってくれる?」 僕はさっきミュウツーとナナから渡されたメモをネス君に手渡す。 「ピカチュウたちのおやつとナナたちのアイスだね、わかったよ。」 どっちも一緒の気もするけど、まあ、別のお使いだし、いいか。 「終わったら商店街入り口に集まってー!!」 迷子にならないように、待ち合わせ場所を決めとかないと。 「他に何かありますか?俺達も行ってきますよ。」 リンク君らがそう言うので、僕は買い物メモを探る。 「えーと・・、あ!」 僕は、メモのひとつを見て、仰天した。 「どうかした?」 「な、何でもないよ。・・あ、これならいいかな?」 リンク君にメモを手渡す。 「えーと、ダンベル2個?・・ああ、サムスさんのお使いか。」 いかに女性らしくない注文に脱力しつつ、二人は買い出しに向かった。 僕はドンキーを連れて、まずはヨッシーのお使いを済ませることにした。 「ヨッシーはたしか、肥料だったよね。」 「うん、五袋ね。荷車借りておこうか。」 お使いの量があまりに膨大になってしまったので、お店の車を借りることにした。 お店の人に頼んだら、快くOKしてくれた!・・・肥料のおかげか。 「じゃあ、これ車に運んどくから〜。」 「わかったよ、運び終わったらあそこのスーパーに来てくれない?買い物してるからさ。」 「OK!!」 ドンキーといったん別れた僕は、スーパーに向かう。 「でも、今日何食べさせよう・・・。暑いし、涼しげなソバかうどんかなぁ・・。でも、精力つけた方がいいし、カレーとかが・・・。」 僕は独り言をぶつぶつ言いながらスーパーの中を回る。 「最近兄さん達、栄養偏ってるからな〜、野菜を多めに・・でも出してもほとんど手ぇつけないだろうし・・。」 野菜コーナーで悩み中。大半の人たちが手をつけないので、野菜不足が気になるところ。 「ピーチ姫注文ののキノコティー発見!そういえば、牛乳もそろそろ足りなくなってきたっけ。リンク君に頼んで届けてもらおう。」 牛乳はスーパーで買うより、牧場の直売のほうがちょっとお得♪なので、いつもリンク君を通して注文してる。 「あ!焼き鳥の特売がある!・・・ファルコ君が怒り狂うな。」 焼き鳥・・というか、鳥肉の類のメニューは控えている。以前ヨッシーとカービィがカラアゲつまんでたところをファルコ君が見かけて、カンカンだったし。 彼からしてみれば、同族(?)が食われるのが見ていられないらしい。・・・なんかわかる気がする。 余談だけど、ガノンドロフは豚肉がダメらしい。理由はわからないけど。 「だから、買えるのは牛肉だけになるんだよねぇ。ちょっと高いけど、仕方ないか・・・。」 「さっきから何ぼそぼそとしゃべってるの?」 「うわぁ!?」 び・・びっくりした・・・。後ろを向くと、ドンキーがいた。 「終わったら来いって言ったじゃないかぁ。」 「ご、ごめん・・。」 「それよりさ、バナナ!買ってくれるよね?」 「ああ。約束だしね。」 あれこれ悩んだあと、大量の食材を買い込んだのだった。 「ルイージ、この後どうする?」 食材を車に置きに行った後、ドンキーから聞かれた。 「僕はまだ他のお使いが済んでないし・・・。それを済ませてくるよ。」 「じゃ、俺はどうしよう?」 「あとは僕一人で充分だから、好きなところ行っていいよ。」 「うん、じゃあ、行ってくる!」 「気をつけて〜。」 僕はドンキーを見送ると、商店街はずれのバイク用品店に向かう。ファルコ君注文の工具と備品が目的だ。 これだったら僕もだいたいはわかる。なので、問題はなかった。 問題は、次の目的地、本屋だ。 フォックス君、マルス君、ファルコン達の注文がここでそろう。 「フォックス君はコンピュータの解説書(メモは解読が大変だったが)、マルス君は時代小説『三剣士 5巻』で・・・。」 ここまではいい。難なく見つけることができた。 一番の問題は、ファルコン達の注文・・・。 「『うっふん・・・』って、えろ雑誌じゃないか!」 リンク君たちにお使いを頼むときにメモをぱらぱらと見たんだけど、そこであのメモ書きを見つけたんだけど・・。 あまりにも怪しかったので、思わず声を上げちゃったんだけど・・・。 「あいつらは〜・・・。嫌がらせか?これって・・・(怒泣)」 僕は泣きたくなった。(無視すりゃいいじゃん、という考えは出てこない←笑) 仕方ないので、僕は周りの目を気にしつつ、パッと雑誌を手に取ると、普段の自分の動きとは思えないほど早くレジについた。 (うう・・・なんかみんな僕を見てる気がする・・・。) レジの店員さんもかなり不思議な顔で見てたし・・・。(それは動きが挙動不審だから) ・・・帰ったらとびっきり苦い野菜ドリンクご馳走してやるか! 買い物も終わって戻ると、もうみんな集まっていた。 「あ、ルイージさぁん、買い物終わりですかぁ!?」 どうやらみんなも済ませたらしい。 「頼まれてたの、買ってきたよ!」 「ダンベル・・重いよ・・・。」 「まあ、1個8kgあるし・・。」 サムスのダンベルは相当な重量のようだ。ロイ君がプルプルしてるもん。 「じゃあ、帰ろうか。車乗って。」 車は買った物でだいぶスペースが狭くなってたけど、ギリギリまでつめて何とか入れた(笑) 「ただいま〜。」 『あ、お帰り〜。』 帰ってきたとたん、留守番組が顔を出す。 「ねえねえ、アイス買ってきてくれた?」 「ぼく等のおやつは〜?」 「キノコティーあった?」 ・・・単に頼んであったものを取りに来ただけみたい。淋しいなぁ。 「買ってきたよ。ほら。」 荷物を降ろしながら、集まってきた人たちにお使いの品を渡す。 「あ、ありがと〜、重かったでしょ?」 サムスがダンベルを2つ、それも片手に1つずつを軽々と持っていった。 それを見たリンク君とロイ君の目が点になっていた。 (・・・彼女を本気にさせたらヤバイ!!) ・・きっとそう思ったに違いない。僕も思った。 「ありがと〜。無理言っちゃってごめんねぇ。」 声はヨッシーだった。花壇の手入れをしていた。 「あと、工具とかはファルコ君か。はい。」 「わりぃな。どうしても今日は出られなかったからな。これは借りにしとくぜ。」 じゃあ、いつか返ってくるのかな?借りが。 「はい、フォックス君。それにマルス君。」 「ありがとう。続きが気になってたんだよ。」 マルス君は本を受け取ると、すぐに部屋に行ってしまった。・・・読みたいんだね。 「あ、この本です!ありがとう!」 「よくわかったな。フォックスの字、読めたのか?」 「ひどいな、ファルコ!」 確かにフォックス君のメモは、字が読みづらく、一部読めなかったりしたが・・。 お使い品はだいたい渡したし、あとは・・・・・・・・。 「お〜、さんきゅ。マジで買ってきたのか!!」 ファルコンに例の本を渡した。・・・正直恥ずかしかった!! 「自分で行けよ!それは!」 「まーまー、でも、行くときに確認しなかったお前もお前だろ?」 確かに。 うっかりそのままポケットにしまってたっけ。 少し納得いかなかったけど、これ以上口に出さないようにして僕はこの場を離れる。 そのあと、なにやら話し声が・・・。 「おい、買ってきたのか?あいつは。」 「ああ、律儀にな。」 「だろ?あいつは頼まれると嫌な物でも買ってくるし。」 「・・・お前ら、いつかぶっ飛ばされるぞ。」 どうやら、4人は僕があの本を本当に買ってくるかどうか、かけてたようだ。 ・・・・と、いうことは、買ってこなくてもよかったってこと!? ぷちっ!! 僕の堪忍袋の緒が音を立てて切れた。 ばんっ!! 僕は勢いよく部屋の戸を開けた。 部屋の4人はぽかんとした顔で僕を見る。 僕は一回深呼吸。そして・・・・。 「兄さんたちのバカタレーーーーーー!!!」 僕は部屋にいた奴等を怒りのままジャンプパンチを(至近距離で)炸裂させたのだった。 その日の夕食は野菜攻めにして、兄さん達には特製野菜ドリンクをご馳走してやったのだった。 教訓:イタズラも、ほどほどに・・・。 おわり。 |