8話:新たなる予感・緊迫編

 

「ふう、やっと着いたぜ・・。」
 船から降りてきたのは、たった1つの影だった。
 ただ、ごく普通の人間ではなく、鳥の容貌をしていた。
「まったく、移動は空がいいってのに、ここへの経路は海しかねぇのかよ!」
 鳥男は不機嫌に海を一瞥する。どうも海とは相性が悪いらしい。顔色があまりすぐれないようだ。
「うっ・・・。ヤベェヤベェ・・。とにかく急がないと・・・。」
 鳥男は大慌てで走り出した。
 走り出した先は、到着先のたった1つしかないホテルだった。

 マリオたちは4階へと向かっていた。
「とっとと最上階へ行けばいいんだろ?マルス、ここは何階まであるんだ?」
「ええ。たしか・・・100階はあったかと。」
『ぶふぅ!!!!!』  ありえない数字に一同は昏倒した。
「・・嘘ですよ。本当は30階です。」
「それでも充分あるわ!」
「それぐらいの高さなら、エレベーターを使おうぜ。あるだろ?」
「ああ。あるよ。行く?」
 ファルコンの提案に従い、一同、エレベーターへ。

「なんじゃこりゃ!!調整中たぁどういうことだ!!」
「やっぱり、彼らがエレベーターを見逃すはずがないか・・。」
 彼らがエレベーターへ来たとき、目に入ったのは、「調整中」の張り紙だった。
 それでも嘘じゃないかと思った一同がボタンを1回押しても、ファルコンが連打しても、クッパがパンチで押しても まったく動く気配がなかった。なお、パンチでこの階のエレベーターのボタンが埋まったのは 言うまでもない。
「階段で行くしかないのか?」
 リンクが諦め気味に言う。
「ちょっと待て、ホテル内のどこかに電力室があるはずだ。そこを何とか探すべきじゃないか?」
「言われてみれば、このホテル全体の電気が消えてるし、な。」
 フォックスの案に、シークが電源ボタンを押しながら同意する。さっきからカチカチやっているが、 電気がまったくつかない。まだ早朝で、周りが明るかったから気づかなかったが。
「電力室なら、地下2階にありますが。」
「地下か、そんなに長い距離ではないな。」
 そう言って、2階へと進む。
 このホテルは2階にロビーがあるので、2階は特に広かった。1階への階段が複数ある。
「適当に降りようぜ。どこから降りても同じだろ。」
 マリオは真近にあった階段を下りる。が。
「冗談だろ?カギがかかってる!」
 マリオが下りた階段の先はドアが閉まっていて、しかもカギがかかっていたようだ。
「マリオ、ダメだ!こっちの階段もカギがかかっている。」
「こっちもです!」
「ここも!!」
「何だ?結局全部カギがかかっているのか?」
「そうみたいだね。どこかにカギがあるかもしれない。探してみよう。」
「カギだったら、事務室とかにないのか?この階にあるだろ?ロビーがあるんだし。」
「そうだな。行ってみるか。こっちだ!」
 マルスは一気に走り出した。一同も遅れずについていく。

 事務室の中は広かった。でも、いろいろなものが管理されているので、カギもここにあるに違いない。
「カギを探せー!!ゴミ箱の中から排水溝の中まできっちりだー!」
「いや、そこまでしなくていいから。」
 この広い事務室で、カギを探し始める。

 1時間後・・・

「ねぇ!どこにもない!」
「おかしいな・・。他にありそうなところ、ないぞ・・?」
 どこを探しても、カギどころか、ラベルすら見当たらない。
「ゴミ箱も見たが、なかったぞ。」
「見たんかい。」
 マリオも顔を上げる。
「やっぱり、排水溝の中も・・・。」
「いや、もっとないと思うから。」
「あーーーーーーーーーーーーーー!」
 マリオたちが騒いでいると、リンクのでかい声が。
「どうした、リンク!」
 一同はリンクの元へ駆け寄った。
「カギがありました!」
『何ィ!?』
「本当か!?」
「ええ。ここに。」
 リンクが指差した先に、確かにカギはあった。
 ただし、その下にはネズミ捕りの罠があった。
「こんな古臭い罠、誰がかかるか!」
 ばちん!!
 クッパがツッコミを入れた途端、でかい音がした。カギと罠のある方向から。
(わーーーーーーーーーーん!助けてぇ!!いたーーーーーーーーーーーい!)
 ピカチュウが見事にかかっていた。
『かかるのかよ!!』
 しかも助けようにも、もがいていると同時に放電しているので、うかつに近づけない。
「クッパ、お前代表して助けてやれ!」
「ばっ、馬鹿言うな!!」
「うるさい!とっとと助けてやれぃ!!」
 嫌がるクッパを無視し、一同はクッパをピカチュウの方向へ突き飛ばす。
「覚えてろーーーーーーーーーーーーーーー!!」
 クッパは放電している中、ピカチュウ救出に動き出した。

 約30分の激闘の中、ピカチュウは無事保護された。
「あ〜あ、背中のところ、切れてるぞ。」
 マリオはピカチュウの背中の傷を見た。深いわけではないが、決して浅いわけでもない。
「ジョブチェーンジ!!」
 マリオはどこからか白いシーツを取り出す。他のメンバーの目からはマリオの姿が一瞬見えなくなる。
 すると、マリオの服装が変わっていた。白衣姿の、聴診器を首にかけた、いわゆる医者の姿になっていた。
「な?おまえ、医者やってんのか?」
 初めて見る一同は目を丸くした。
「ま、昔な。」
 マリオ・・Drマリオはピカチュウの背中の具合を見る。
「ふんふん、これは・・ちょっと薬塗って、ガーゼを厚くして包帯でっと・・完了!」
 ピカチュウはDrマリオの手当てでやっと落ち着いたようだった。
「マルス、コイツを抱えてやってくれないか?」
「ん?ああ。わかったよ。」
 マルスは落ち着いて眠ってしまったピカチュウを抱え上げた。
「カギも見つかったし、行くか。」
 Drマリオはそのまま事務室を後にする。
 他もぞろぞろとついていく。
 その途中、フォックスがふとクッパに尋ねる。
「クッパさん、マリオさんが医者だっての、初耳なんですけど、彼、医師免許持ってるんですか?」
「いや、ワガハイも聞いた事がない。無免か?」
「無免ですね!!」
「お前ら!好き勝手なこと言ってんじゃねぇ!!」

 1階へくだり、さらに地下1階を経て、ついに地下2階へ到達した。
 途中、ありとあらゆる罠があったが、どれもチープな罠ばかりで、抜けるのは極めてたやすかった。
 あったのは、落とし穴(穴の中にはう●●入り)と、鳥かごの罠と、足払いの罠くらいだった。
 ・・・・・・まあ、それでも多少は引っかかったのだが。
 地下2階は水道や電気など、様々なところを管理している部屋が多く、電力室は簡単に見つかった。
 中に入ると、確かにブレーカーが落ちていた。
 急いでブレーカーを上げるも、電力はなぜかたいした回復をしなかった。
「おいおい、冗談だろ?」
「ガノンドロフ・・・。さては電気を止めてるな・・?」
「おいおい、いくらなんでもそれは・・。」
「奴の魔力ならそれくらいはたやすいだろう。しかし、これは本当に困ったぞ・・・。」
 一同が頭を悩ませた。すると、あるものがマリオの目にとまる。
「サイクリングマシーン?何でこんなものが・・?」
「それになんか電気コードがつながっているし・・・。」
 マリオとフォックスが疑問に思うなか、シークがいきなり声を上げる。
「もしかしたらこれで電気を流すやつなんじゃ・・?」
「へぇ。でも、どこから?電気は止められてるし・・。」
「ピカチュウがこんな状態じゃなければ、発電ができるんだが・・・。」
 ファルコンがまだ寝ているピカチュウを見ながら言う。
「傷がある程度直るまで、2、3日はかかるぞ。それまで待つか。」
「・・・悔しいが、そうするしかないだろう。この魔法は他者には解く事ができないようだし。」
 マリオの意見にシークが同調。
「でも、またここまで来るのは面倒だろ?あんな罠をまた抜けるなんて。」
「帰りはこれを使おう。もしまた来たときのために、ここに魔法をかけておく。」
 リンクのセリフをシークが聞きとめる。そして、彼はゼルダに戻る。
「フロルの風!」
 彼女の手から緑色の光球が出てくる。そして、それが上へとのぼっていく。
「これで、また、ここへ一瞬で行けるようになります。今回はこれで帰りましょう。」
 ゼルダは一同に1つの鏡を見せた。とてもきれいな鏡で、「マジカルミラー」と呼ばれる一品だ。
 そこから顔を映した一同は、そのままロビーへ戻っていた。

 ロビーから3階の休憩所へ行く途中のことだった。
 背後から気配がする。
「この気配・・嫌な予感がします。」
 ゼルダが険しい顔でつぶやく。すると。
「ふん、気づいたか。ゼルダよ。」
 前方から声がした。低めの、貫禄のある声だ。
「・・・ガノンドロフ!」
 リンクも身構える。
「まて、リンクよ。今回は戦いに来たのではない。」
「ならば、どういうことだ!」
「こういう事だ。」
 ガノンドロフは一同に右手を出す。
「何をするつもりなんだ・・?」
 マルスも不安そうにつぶやく。
 そして、一同の視界が一瞬暗くなった。

 次に見た背景は、まったく見覚えのない、少なくともさっきのホテルのロビーでも休憩所でもなかった。
 いってしまえば、闘技場で使われているようなリングの上に一同が立っているところだ。
「マリオ!あなたもここに!?」
 ふと聞こえた声はピーチだった。
 よく見ると、サムスにドンキー、ヨッシーにカービィにネスの姿もあった。ポポとナナもいた。
「姫!あなたもここへ連れて行かれたのですか?」
「ええ。ミュウツーとかいう者が私たちのところへ来て、それで・・。」
 どうやら留守番組の所にもミュウツーが来たらしい。同じようにしてワープさせられたようだ。
『ふふふふ・・・これからお前たちの力を試させてもらおう。・・いでよ!!』
 ガノンドロフの声と同時に、何かがリング上の周りから出てきた。
 それらは、人の形(それも男女ともに)こそとっているが、人間なのか、ロボットなのかわからない。 動きはぎこちなく、ゆっくりと近づいてくる。
「・・戦うしかないってのか?」
 そう言うなり、やつら(じゃわかりにくいから、ザコ敵とでもしておこう)は攻撃してきた。
「ぐっ!!?」
 攻撃をまともに受けたファルコンは一気にふっ飛んだ。
「ファルコン!大丈夫か?」
「なんだありゃぁ・・。すげぇパワーがあるぞ・・?」
 ファルコンは咳き込みながらつぶやく。
『こいつらは特別製だ。貴様らの力でせいぜい倒すんだな・・。』
 こう言って、ガノンドロフの声はフェードアウトしていった。

 最初は簡単に倒せると思っていた。
 しかし、ザコ敵はふっ飛ばしてもふっ飛ばしてもすぐに起き上がり、自分たちに重い一撃をお見舞してくるのだった。
「おいおい、どういうことだ!」
 パワー自慢のクッパやドンキーも少々へたばり気味だ。彼らは体がでかいので、他の皆よりも攻撃を受けやすい。
「強い・・どうすれば・・・。」
 リンクも弱気な発言をする。
「きゃあ!!」
 後方からはピーチが狙われていた。
「ネス!姫をサポートして・・・!」
 ピーチのすぐ近くにいるネスはぼんやりと突っ立っているだけだった。
「ネス!何をしているんだ!!」
 ネスがハッと気がついたときは、もう攻撃が届くところで、今から防御していては間に合わない状態だった。
「ネス!ピーチ!!」
 攻撃が届く寸前のところでサムスが割り込み、ザコ敵に蹴りをいれ、ふっ飛ばす。
「ネス!あんた何してるの!?あんただって戦えるでしょ?」
 サムスはすぐに立ち上がってきたザコ敵を迎え撃ちながら叫ぶ。
「・・また、あんな力が、暴発したら・・。」
「今はそんなこといってる場合じゃないでしょ!?・・たく、スーツがあれば、もうちょっと楽に戦えるんだけどね・・。」
 サムスがぼやく。今の彼女はスーツがない状態だ。
「・・ネス。」
「・・・ピーチさん、僕は・・。」
「自分を信じて。今までに冒険してきたこと、思い出してごらん?」
「・・・・・うん!」
 ネスは離れたところで座り込んだ。

「くそぉ!このままじゃ、こっちがやられるぜ!」
「どこかに弱点があれば・・・!」
「フォックス!後ろ!!」
 フォックスの後ろからザコ敵が襲い掛かってきた。
「う!まずい!!これじゃ攻撃できない・・・!」
 ザコ敵はフォックスのすぐ近くまでいた。
 すると、1つの声が響いた。
「フォックス!!何をやってるんだ!!」
 その途端、フォックスの後ろのザコ敵が倒れる。
 そして、1人の鳥男が姿を現した。

「ファルコ!?」
 その鳥男はフォックスと知り合いらしい。
「フォックス!コイツは顔面が弱点だ!!」
 ファルコはザコ敵の顔面を狙って、銃を撃つ。
ばしゅっ!
 レーザー弾は顔面を直撃した。
どうん!!
 ザコ敵はその場に倒れ、消えた。
「なるほど!ここを狙えば・・・!」
 一同はいっせいにザコ敵の顔面に攻撃を集中する。
 そして、数を次々と減らしていく。
 すると、その中の1人が、その場を離れ、攻撃を仕掛けてくる。狙っているのは・・先ほどから座っている ネスだった。
「ネス!お前何しているんだ!!早く逃げろ!!」
 皆がネスに向かって叫ぶ。ザコ敵の攻撃が来る。
「!!でりゃぁ!!」
がつっ!!
 そのとき、ネスのバットがザコ敵の顔面を叩いた。
 そして、ザコ敵はその場に消えた。
 残りの敵も、フォックスとファルコが一気に片付け、そして、周りにはザコ敵はいなくなった。
「ネス!大丈夫か?」
「うん。冒険していたころを思い出したんだ。そしたら急に気が楽になって、それで・・・。」
「わかった、わかったから。」
 勢い込んでしゃべりだすネスを、マリオがなだめる。どうやら冒険していたころの勇気を思い出したみたいだ。
 フォックスは彼らを見てから、ファルコのほうを向く。
「ファルコ、助かった。ありがとう。」
「へっ、んなこたぁかまわねぇよ。」
 ファルコは照れているのか、そっぽを向いてしまった。
「しかし、お前がなぜここに?」
「ああ、それは『ここのホテルで何かが起こる』といううわさを聞いてな、それが解決できりゃ、いいギャラに なるかと思ってな。」
「ふうん。」
 ファルコのセリフに一同は声をそろえた。
「で、来てみればなんか建物に黒い塊があるから近づいてみたら、フォックス達が見えたから、何も考えずに 手を近づけたら入れたんだ。」
「なるほど。しかし、あいつらの弱点が顔だって、どうしてわかったんだ?」
「ああ、それはな・・入った後、お前らが気づいてなかったんで、適当に攻撃してたんだ。んで、たまたま 顔面に当たってな。そしたら消えた、ってわけだ。」
「・・・ま、助かったし、いいか。」
 フォックスはファルコの無鉄砲さにあきれながらも納得したようだ。
「ねえ、鳥さん。フォックスと知り合い?」
 ポポとナナがファルコに向かって言う。
「鳥って言うな!!!!!!!!!」
「まあまあファルコ。・・こいつは俺のチームメイトだ。」
「チームメイトって、スターフォックスのか?」
「ええ。うちのエースです。ファルコンさん。」
「・・なんかまぎわらしいな。」
 ファルコンは頭を掻きながらつぶやいた。
「ねぇ、さっきここに白い光が出てきたわ。ここから出られそうよ。」
 ピーチの声で、皆は彼女の方を向く。
 彼女の横には人が1人通れるくらいの大きさの光があった。のぞいてみると、ホテルの休憩所が見える。
「じゃ、戻ろうか。いつまでもこんなところにはいられないだろう?」
「うん!ぼくおなかすいた〜。」
「バナナが残ってるんだけど、食べる?」
「てか、今回ぼくらのセリフはこれだけ?」
 カービィ、ドンキー、ヨッシーが真っ先に光をくぐった。
 ヨッシーのセリフは書いている奴の責任です。(←ゴメン・・・)

 全員が元の場所に戻ってきた。すると、黒い光は消えてしまった。
「しかし、何のためにこんなことを・・・?なあ、マルス。」
 マリオがマルスに声をかけるが、返事がない。
 と、いうよりは姿を見かけない。
「あれ?マルス、どこへ行ったんだ?」
 マリオは周りをきょろきょろする。
「マリオさん、マルスさんはさっきの闘技場にもいませんでしたよ。」
「そういえば・・ロイにこどもリンク、ピチューにピカチュウもあそこにはいませんでした。」
「全然気づかなかったぞ・・?俺らだけが目的か?」
「あいつらどこへ行ったんだ?」
 だんだんみんなが騒ぎ出した。すると。
「た、た、大変だよ!!」
 不意に大声が聞こえた。声の主はこどもリンクだ。前にはピチューもいる。
「どうした?どこ行ってたんだ?」
「みんながさっきの黒い光に飲まれたとき、ぼくとピチューとロイにいちゃんだけがここに残されたんだ。 すると、マルスにいちゃんがピカチュウを抱えてぼくらのところに来たんだ。」
「それで、どうなった?」
 マリオが急かすので、こどもリンクが言葉を続ける。
「そしたらガノンドロフとミュウツーがぼくらのところに来て、ぼくらに戦いを挑んできたんだ。」
「そ、それで?」
「マルスにいちゃんとロイにいちゃんがぼくらをかばって、戦ったんだ。でも・・・。」
「でも、何だ?」
「マルスにいちゃんたち、あの2人に・・つかまっちゃって!!」
『なんだって!?』
「ぼくらは急いでみんなを呼ぼうと思ったんだけど、どこにいるかわからなくて・・・。」
「わかった、もういい。」
 マリオはこどもリンクをなだめる。
「おい、ところでピカチュウは?あいつ怪我してて動けなかったと思うけど。」
 クッパが思い出したように聞く。
「大丈夫だよ。マルスにいちゃんが戦う前に、ぼくに預けたから。今は部屋で休んでいるよ。」
「そうか。」
「しかし、マルスもロイもつかまってしまって、どうしたらいいか・・。」
「ファルコン、そりゃあいつらの言うとおり、最上階を目指すしかないでしょ?そうすりゃマルスとロイ、 それにルイージとプリンも助かるかもしれないし。」
 サムスがファルコンに言う。
「一度メンバーを再編成した方がいいかもな。メンバーが変わってきてるし。」
「クッパさん、俺にいい方法があります。みんなも聞いてくれませんか?」
 フォックスが全員をまわりに集め、こそこそと話を始める。

「と、いうわけです。」
「ああ・・。それならいいかもな。じゃ、メンバーを決めるか。」
「ピカチュウの怪我の完治が1週間ほど。ある程度治るまで2、3日はかかる。1週間はとてもじゃないが 無理だから、行動までに3日は待たないといけないが・・。」
「ピカチュウが重要なの?」
 サムスが疑問に思う。
「ああ。電力を回復しなきゃならないからな。」
「どうりで暗いと思ったら、電気がついてなかったのね・・。」
 あたりはもう夕暮れだった。しかし、電気がつかないので少々暗い。
「完治していないピカチュウだけじゃ、電力が完全回復するまでもつか?」
「そこなんだよな・・・。」
 一同が考え込む。すると、誰かの声があがる。・・すぐわかったが。
(ぼくがいく!ぼくだってでんきがだせるよ!!)
 ピチューだった。確かに彼も電気が発生させる事ができるだろう。
「しかし、お前、大丈夫か?コントロールが上手くできないと言ってたけど・・。」
(やってみる!)
「しかしなぁ・・・。」
 みんながしぶる中、急に別の声が。これもすぐわかった。
(ぼくも一緒に行くからさ、ピチューも連れて行ってくれない?)
 怪我をしているはずのピカチュウが出てきた。
「おまえ、まだ寝てないと・・。」
(ぼくとピチューが一緒なら、電力が完全回復すると思うから・・。)
(ピカ兄・・・。)
 2匹の説得に、一同はしばらく考えたが、やがてマリオが首を縦に振る。
「わかった。行っていいぞ。ただし、3日経ってからだ。」
(うん、ありがとう、マリオさん!!)
 2匹は嬉しそうに、お礼を言った。
「マリオ、いいのか?」
「ああ。あの2匹がいれば、大丈夫だろ。お互いをフォローするだろうさ。」
 マリオのセリフに一同は納得した。
「お前もたまにはまともな意見を言うんだな。マリオ。」
「たまには、ってなんだ、クッパ。俺はいつも真面目だぞ。」
「うそつけ!!」
「何ィ!?」
「はいはい、そこまでにして。もう暗くなってきたし、今日のところは休みましょう。」
 マリオとクッパがケンカを始めようとする前にピーチが絶妙なタイミングで話し掛けた。
「3日の間に作戦をまとめましょう。何かの準備もしたほうがいいでしょうし。」
「ルイージさん・・マルスさん・・・みんな無事でいてほしいな。」
 フォックスは冷静に、リンクは心配そうにつぶやいた。

 それから3日後・・・。

 フロルの風を使って、突撃メンバーは地下2階の電力室へ来ていた。
 メンバーは、マリオ、リンク、シーク、フォックス、クッパ、ファルコン、こどもリンク、ピカチュウ、ピチュー の9名だった。
「それじゃ、ピカチュウ、ピチュー。発電を頼む。俺とファルコンでこぐから。」
「は?俺かよ!」
「他に似合いそうなのがお前しか思いつかなくて。」
「くそ、マリオ、覚えてろ。」
 文句を言うファルコンを無視して、ピカチュウとピチューは電気コードを装着する。
(行くよ!!)
(おっけー!!)
 2匹は同時に発電した。それと同時に、マリオとファルコンの2人がサイクリングマシーンをこぐ。
 電力は徐々に回復していく。
 そして、およそ10分・・・。
 突如、電力の回復が遅くなりだした。ピカチュウがへたばりだしたのだ。
(ピカ兄!)
 ピチューが思わずピカチュウの方を見る。
(ピチュー!ぼくにかまうな!力を抜かないで、そのまま続けて!!)
(・・・わかったよ!)
 ピチューは発電パワーを強くした。
「マリオ!まだか!?」
「どのぐらいだ!?」
「あと少しです!このままの力で、一気にいってください!!」
 そして、さらに5分後・・・。
 どこかからピーっと音がした。
「大成功です!電力が回復しました!」
 リンクが部屋の電気をつけながら言う。
「これならエレベーターを使えるな。じゃ、一度ロビーへ行くよ。」
 シークがマジカルミラーを取り出し、全員を集める。
(ふう・・疲れた・・。)
 ピチューとピカチュウはぐったりとしていた。さっきのでパワーを使い果たしたようだ。
「一度休憩所へ行こうぜ。こいつらは休ませた方がいい。他の誰かと交代させよう。」
「わかった。じゃあ、行くよ!」
 一同はワープし、休憩所へ向かう。
 留守番組にわけを話し、ピカチュウとピチューを休ませることに賛成した。
「じゃあ、代わりに誰が行くか、決めましょうよ。」
 留守番組はくじ引きでメンバーを決め出した。結果、ヨッシーとドンキーの動物コンビに決まった。
「じゃあ、行くか。」
 一同は3階のエレベーターへ向かった。しかし。
「ねぇ、なんかボタンがめり込んでるよ?」
「それに、なんか壁が壊れてるみたいだし。」
 昨日留守番をしていたドンキーとヨッシーは怪訝な顔をした。
 そう、それは探索初日に、エレベーターが動かないからといって、ファルコンとクッパが勢いで壊してしまった ものだった。
「なんてことするんですか!!これじゃ、ここのエレベーター使えませんよ!!」
「うるせぇ!!あの時は電気が止まってるだなんて思ってなかったんだよ!!」
 リンクとファルコンがケンカを始めた。
「2人ともやめろーーーーー!!」
 フォックスが大声でケンカを止める。
「ここがダメなら、2階か4階のエレベーターを使えばいいだけです!行きますよ!!」
 フォックスのあまりの剣幕に、リンクとファルコンは唖然とする。
「フォックス、怖い・・。」
「今までのことで、相当ストレスがたまってたんだろう。」
 一同は2階からエレベーターで行くことにした。

「じゃあ、行くぞ。30階まで・・・。」
 全員がうなずく。そして、乗り込む。
「待ってろよ・・、ガノンドロフ、ミュウツー!」
「マルスにロイ、あいつらはどうしたんだろうか・・。」
「ルイージさん、大丈夫かな・・。けっこうボロボロだったし・・。」
「リンク、君はそんなに彼が心配なんだね。」
「だろうな。なんでか知らんが。」
「みんなぁ、プリンのことも忘れないでよ〜。」
「ああ、覚えてるから、安心していいよ。」
 エレベーターの中で、緊張しているのか、全員がおしゃべりを始めた。
 ちなみにしゃべった順番は、マリオ→クッパ→リンク→シーク→ファルコン→ドンキー→フォックスの順である。

 そして、30階へ到着した。

 エレベーターの扉が開く。
 そして、そのときに彼らが見たものは!

「な・・なんじゃこりゃあああああああああああああ!!」
                                                 つづく。

さらに意味不明なまま今回は終わります。
しかも思ったより長くなってしまい、終わるのかと本気で思いました;
なんかピカの怪我が思ったより深刻な状態になってましたが、考えてみれば、原因がかなりマヌケだった ような・・(滝汗)
もう管理人の頭の中もいっぱいいっぱいじゃないかと思われます。文がどうなってるのかわからない状態で;
それでは、次回をお楽しみに〜(?)
たぶん、次回でひとまとめになると思い・・ます・・。きっと。