9話:新たなる予感・解決編

 

「な・・なんじゃこりゃあああああああああああああ!!」
 マリオはいきなり大声を出した。
 そう。エレベーターを使い、やっと最上階へ来たと思ったら、今度は大きな壁がまるまる、行く手を阻んでいたのだった。
「階段で来なきゃいけなかったのかよ!!」
「これだけでも苦労したってのに!!」
 周りが文句をいう中、クッパがあることを思いついた。
「待て!ワガハイに考えがある。・・ドンキー、ちょっと手を貸せ。」
「?わかったよ。ぼくに何かできるの?」
 ドンキーは急に呼ばれ、何があるのかわからない顔をする。
「要はこの壁がなけりゃいいだろ?」
「!!わかった!」
 クッパの言葉で、ドンキーは彼がやろうとすることを悟った。
「いいか、同時にいくぞ!」
「うん!!」
 クッパとドンキーは顔を見合わせ、うなずいたあと、大声で叫んだ。
『おれたちゃ難しいことは大嫌いだコンチクショー・・・!!』
どごおおおおおおおぉぉぉぉぉん・・・・・・・・!!

 2人はたまってたうっぷんを晴らすかのように、同時に壁に向かってパンチした。
がらがらがら・・・・・
 あまりのパワーに壁は見事に崩れ落ち、大きな穴があいた。
「す・・すげぇ・・・。」
「この2人、こんなパワーがあったんだ・・・。」
「い、いつも見てる俺でもビビッた・・・。」
 ファルコン、リンク、マリオはあまりの光景に腰をぬかした。
「で、でも、これで進めるのではないでしょうか?」
「ちょっと反則な気もしますが・・・。」
「こ、細かいことを気にしてはダメだろう・・。フォックス君。」
 ヨッシーは顔を引きつらせつつも先を促し、フォックスはあまりにも強引な方法に疑問を抱き、 シークはフォックスにかまいながらも声が震えていた。ちなみにこどもリンクは後ろで呆然としていた。
「な、なぁ、いつまでもここでぼんやりしているわけにはいかないし、行こうぜ。」
 ファルコンが唖然としているみんなを促す。
「がはははは!ワガハイたちにかかれば、こんなもの朝飯前よ!!」
「・・・ぼくはビックリしたけど。こんなの1人じゃ壊せないし。」
 クッパは自信満々だったが、ドンキーは目を丸くしていたという・・。

 気を取り直して、先を急いだ。
「この階には罠がないんだな。」
「あの壁だけで充分だと思ったんじゃない?」
 リンク同士での会話である。
 あの壁を破壊した先は、何も起こらず、かえって不気味だったりする。
「でもよ、あいつらはどこにいるんだ?」
「・・・ガノンドロフの気を調べている。この気をたどれば、着くはずだ。」
 シークは神経を集中しつつ、先頭を歩き始める。
「ガノンドロフの気をたどるから、みんなは僕について来て。」
 一同はシークの言うとおりに彼の後をついていった。
 やがて、『会議室』と書いてあるプレートがついている扉の前に到着した。
「・・・間違いない。奴らはここにいる。」
「会議室の中に?」
「じゃ、とっとと行こうではないか!!」
 クッパがさっさと扉を開けようとする。
「待て!開けた途端攻撃されたらどうする!?」
 シークがクッパを止める。
「でもシーク、考えすぎなんじゃ・・。」
 リンクがシークの考えを否定する。
「しかし・・・。向こうは人質を4人とっている。もしものことが・・。」
「じゃあ、こうすればよかろう!・・さがれ。」
 クッパが一同を扉から離し、自らも数歩下がる。そして、大きく深呼吸。
ごおおおおおおおおおお・・・・・・・
 クッパは口から炎を吐き、扉を燃やそうとする。
「誰か!水を!!」
「もしものときに買っておいた、これ、使えるかな?」
 こどもリンクが球状のものを取り出した。モンスターボールだ。特別仕様で、1回だけ中からポケモンが でてきて、何かしらの技を出してくれるものだ。
「よし、これなら!」
 こどもリンクはモンスターボールを投げる。中からはカメックスがでてきた。
「これなら炎を消すことができるだろう。」
 カメックスはみずでっぽうでクッパが燃やした扉に残っている炎を消していく。これなら火事を防げるだろう。
 やがて扉に人が3〜4人は余裕で通れる穴があき、炎上しないようにみずでっぽうが炎を消していく。
「どうだ!これなら攻撃がきても問題なかろう!」
「アホかお前は!もうちょいで火事になるところだったろうが!!」
 大威張りするクッパにマリオがどつく。ちなみにカメックスはもう姿を消している。
「ケンカはよせ!行くぞ!」
 そして、一同は奥へ進む。

「・・・ずいぶん手荒な開け方をするな・・・。」
 奥からは低めの、貫禄ある声がした。
「ガノンドロフ・・何のためにこんなことをする・・・。」
 シークは声の主・・ガノンドロフに問い掛ける。
「ふん、そんなことは、最後のゲームをクリアしてから知るんだな・・。」
「もっとも、それができるかは知らないが・・・。」
 ガノンドロフの後ろから別の声が。ミュウツーだった。
「その前に聞きたい事がある。」
 マリオが前に立つ。
「ルイージたち・・つかまえた奴らは無事だろうな・・・。」
「ああ。無事だとも・・。会わせてやろうか?」
 ガノンドロフのセリフに、ミュウツーが指を光らせた。
 すると、光がある方向に向かい、やがて止まった。
 そこには、いまだ檻の中に閉じ込められているプリンと、ぐったりと気絶しているルイージの姿があった。
「ルイージ!プリン!」
(みんなーーー!!)
 反応したのはプリンのみで、ルイージは返事どころか、起きる様子もなかった。
「ルイージさんに何をしたんだ?」
 リンクはビームソードを手に、2人の方に切っ先を向ける。
「安心しろ、死んではおらん。・・ただお前たちが来るまでの間は食事は一切与えておらんがな。」
「じゃあ、プリンが元気なのは?」
「・・・こいつ、密かにおやつを隠し持ってやがった・・。」
 なんか納得してしまうメンバーであった。
「ところで、マルスさんとロイは?」
 フォックスが、マルスとロイの姿がないことに気づき、問いだす。
「ああ。いるぞ。呼んでこい。」
「わかった。・・・来い!」
 ミュウツーの声で、誰かが来る。2人だ。
「マルス!ロイ!!」
 でてきた人物はマルスとロイだった。
 しかし、2人の目は前に見たときとは違い、赤かった。
「マルス?ロイ?」
 一同が呼んでも、2人は反応しなかった。
「・・・何をした?2人に。」
「ふん、少々おとなしくさせたまでよ。」
「・・でも、私が声をかければ、その通りに動くがな。」
 ミュウツーが落ち着いた声で、しれっと言ってのけた。
「そうだ、この際だから、最後のゲームとして、こいつらと戦わせるか?」
「向こうは9人、こっちは2人だぞ?人数的には無理があるぞ?」
「なに、我々も一緒なら、4人だ。それに、アレも出すぞ。」
「アレを・・?それなら、対等になるな。」
 ガノンドロフとミュウツーの2人で謎めいた会話をする。
「なんなんだよ!一体!?」
 一同がわめくだす。すると、ガノンドロフはミュウツーに言う。
「おい、アレを出せ。それから、・・けしかけろ。」
「・・・わかった。」
 ミュウツーは目を光らせた。
 すると、奥のほうから、何かの足音がする。1人2人ではない。複数の足音だ。
「・・・あいつらは!」
 ファルコンが声を上げる。
 奥から出てきたのは、前日に戦った、ザコ敵軍団だった。
「ふふふ・・こいつらは前に戦った奴らよりも強いぞ。」
「もちろん、お前たちも戦うんだろうな?」
 自慢げに話すガノンドロフに、リンクが挑発気味に言う。
「・・無論だ。もちろん、こいつらもな。」
「私もな。・・・やれ。」
 ミュウツーはマルスとロイの方を向き、セリフを一言言い放つ。
 そして、マルスとロイも歩き出す。手には剣を持っていた。

「マルス!ロイ!どうしたんだ!?」
 しかし、返事はない。むしろ、2人は剣を一同に向けている。
「無駄だ。私が操っているからな。」
 ミュウツーが冷たく言い放つ。
「じゃ、無駄話は終わりだ。・・頼むぞ。」
「・・わかった。2人とも・・あの一団を叩きのめせ!」
 ミュウツーの命令で、マルスとロイが勢いよく一同に襲い掛かった。それと同時に、ザコ敵軍団も攻めてきた。
「俺たちも行くぞ。・・俺たちの目的のために。」
「わかっている。最初からそのつもりだ。」
 さらにガノンドロフとミュウツーも動き出した。
 一同はすぐに戦闘体勢をとる。しかし、相手のほうが速かった。マルスの剣がリンクを狙う。

きぃん!

「マルスさん!どうしたんです、一体・・・!」
 リンクはとっさにビームソードを構え、マルスの一撃を防いでいた。
「リンク!さっき奴らが言ったとおりだ!この2人、操られている!」
 シークがザコ敵の攻撃をかわしながら叫ぶ。
「でもな、こいつらの弱点はわかってるんだ!」
 フォックスは素早い動きで顔面にキックを狙う。
 キックはヒットし、ザコ敵は消滅する。
「ふん、少しは学習能力があるようだな。しかし、何もこいつらはこの数だけとは限らん!」
 ガノンドロフは指を鳴らす。
 すると、奥から新たにザコ敵が出現する。
「ふん、数が増えるなら、つぶすまでだ!くらえぃ!」
 クッパが渾身の力をこめてパンチを繰り出す。
「アホか。前よりパワーアップしていると言ったはずだが。」
 ミュウツーは冷たく言う。
 しかし、言ったとおり、クッパのパンチはあっさりとかわされたのだった。
「こいつらは貴様のような鈍くさい動きでは追いつくことはできまい。よほど素早い奴らでない限りは 当てることすらできないだろう・・。」
「ならば・・でや!!」
 シークはかなりの速さでザコ敵へ近づき、キックを出す。しかし。

ガッ!!

 攻撃は当たったものの、効果が見られない。
「パワーアップしていると言ったはずだ。防御面も上がっている。中途半端な攻撃では自分が怪我をするだけだ。」
 ミュウツーは淡々と説明する。
 その途端、ザコ敵は隙のできたシークに蹴りをいれる。
「ぐっ・・・・!」
 シークは大きくふっ飛び、転がっていく。
「パワーも上がっているぞ。大怪我しないように気をつけるんだな。」
「全部上がっているなら、それ以上でいくまでだ!」
 ファルコンがザコ敵の中へ突撃する。そして、素早く顔面を狙って回し蹴りを放つ。
 次々にザコ敵にヒットし、次々に消滅していく。
「おい!こいつらは俺とフォックスが何とかする!マリオたちはマルスたちを止めろ!」
 ファルコンが大声でマリオたちに言う。
「わかった!無理するな!!」

「マルスたちは操られているんだよな・・・。」
 マリオは少し考え込む。そこで、シークがこう言った。
「マルスとロイはそれぞれ1対1で戦う方がいいだろうな。残った人たちでガノンドロフとミュウツーと 戦おう。」
「しかし、誰がマルスたちと戦うか?」
「マルスは僕に任せてほしい。彼の動き・・なかなか速いから、僕ならなんとか気絶させる事ができるかも・・。」
「ロイは?」
「彼の動きは、遅くはないが、攻撃は大振りだ。マルスより隙ができやすいが、一撃が大きい。・・・リンクかマリオがいいだろうな。」
「なら、おれが行く。」
 シークの話を遮って、名乗りだしたのはリンクだった。
「気絶させればいいんだろ?ここにちょうどいい武器があった。」
 リンクが手にしたものは、彼がいつも使っているマスターソード・・・によく似た木刀だった。
「なあ、じゃあガノンドロフとミュウツーの動きはどうだ?」
 一同は再びシークに聞く。
「ガノンドロフは動きが鈍いが、攻撃はおそろしい。・・クッパとドンキーなら対抗できると思うが・・。」
「なるほど。」
「残った俺らでミュウツーを倒せばいいんだろ?」
「ああ。頼むぞ!」
 こうして、戦いが始まった。

「いくぞ!・・・でぇりゃぁ!!」
 マリオとこどもリンクがミュウツーに突撃する。
「無駄だ・・・。」
 ミュウツーは片手を出し、紫の玉を発生させる。
 そして、それは2人に直撃する。
「ぐわぁっ!!」
 2人は軽くふっ飛んだ。
「近づけないなら・・・これはどうです!!」
 ヨッシーが背後からタマゴを投げた。
「・・たべものは大切にするものだ。」
 ミュウツーが一睨みすると、タマゴは途中で破裂した。
「ぐ・・・なんだこれは!」
 実は、破裂したタマゴから派手な花火が発生したのだ。
「ぼくのタマゴは武器なんです!」
 ヨッシーが得意げに言う。すると。
「ふん・・なら、私の目を見ろ!」
 ミュウツーが言ったとおり、マリオ、ヨッシー、こどもリンクは思わず彼の目を見てしまう。
 そのとき、急に3人の体が硬直した。
「な・・なんだこれは・・!」
「動けないよう!!」
「・・・かなしばり。今度はこちらから行くぞ。」
 ミュウツーの左手が上へ向かう。
 それと同時に、3人の体も上へと浮いていった。
「あ・・あの・・この展開は・・やっぱり?」
 マリオがすっとぼけた反応をした。
「うむ。貴様の予想通り、だ。」
 そして、ミュウツーの左手が下へと勢いよく振り下ろす!
 その動きのように、マリオたちの体も下へと勢いよく落下していった。
『ぅわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・!』
どさっ!!

 張り裂けんばかりの大声と、大きな音がした。
「ううう・・・。ちくしょう・・・。」
 とりあえず生きているようだった。かなり痛いが。
「・・まだだ。こんなものではないぞ。」
 そして、再び体は上へとゆっくり浮いていった。

「どうした?パワーだけでは俺に勝てんぞ?」
「まだだ!このままやられるワガハイではないわ!」
 ボコボコにのされ、ふらつき気味のクッパに、無傷で余裕たっぷりのガノンドロフ。
 クッパは正面から戦うが、彼の攻撃はすべてガノンドロフに読まれていた。
「このまま見逃してやるから、さっさと逃げたらどうだ?」
「ふっ・・・。逃げた方がいいのはキサマのほうだ!」
 クッパのセリフと同時に、ガノンドロフの背後からドンキーが飛び出してきた。
「覚悟!!」
 ドンキー渾身のジャイアントパンチはガノンドロフの腹部に見事命中した。
 ガノンドロフは大きくふっ飛ぶ。
 実はクッパがオトリとなってガノンドロフの気を引き、その間、ドンキーは気づかれないようにパワー をためつつ、背後に回っていたのだ。シークが言ったとおり、ガノンドロフは動きが鈍く、ましてやクッパが 派手に戦っていたため、気づかれずにすんだのだった。
「ふっ、どうだ!ワガハイが考えた作戦は!」
「・・ふっとばしたの、ぼく。」
 高々と笑うクッパをよそに、ガノンドロフはゆっくりと起き上がった。
「ふふふ・・・少しはやるようだな・・・。」
 そのときのガノンドロフの目は、もう本気だった。
 体から邪悪なオーラが発生していた。

「・・・思ったより素早いな・・・。」
 シークはマルスの攻撃をかわしながらつぶやく。
 かわしながら、チャンスと見るや攻撃を仕掛けるのだが、すぐに剣でガードされてしまう。
 戦いからおよそ30分。シークの体力も減ってきたのか、息が荒い。
「シーク!無理するな!」
 リンクがロイの攻撃をかわしながら叫ぶ。
 しかし、そのときに隙ができたのか、リンクが一気に押されはじめた。
「まずい!リンクも体力が減っている。このままじゃこっちがやられる・・・!」
 シークはマルスの隙をうかがうため、彼に再び集中し始めた。

「おいおい!いつまで出てくるんだ!?」
「かれこれもう何十体倒したんでしょう・・?」
 ファルコンとフォックスも、ダメージこそ微々たるものだが、30分もの戦いで体力が限界に 近づいていた。
「・・・お、俺、少しきついです・・・。」
 フォックスがだいぶヘロヘロだ。肩が大きく動く。
 そのときにフォックスの背後からさらに1体襲いかかってきた。
「くそう!またかよ!!」
 ファルコンがとっさにそのザコ敵をつぶす。
 そいつは消えたものの、また新たに1体出現した。
「・・・・・・・・。」
 もう発する言葉もないのか、2人とも無言だった。

「うう・・決定打が見つからねぇ・・・。」
 マリオはかなりのダメージを受けたのか、足元がふらついている。
 後ろのヨッシーとこどもリンクも膝をついている。
 先ほどから遠距離攻撃でミュウツーを攻撃しているのだが、マリオのファイアボールはガードされてしまう。
 ヨッシーのタマゴ攻撃は追加の花火が不意をつくのでかろうじて効果が見られる。こどもリンクも ブーメランや弓矢で応戦している。しかし、いずれもミュウツーの体力を削るだけにとどまった。
「ここまで戦うとは・・・なかなかのものだ。」
 ミュウツーも少々ダメージがあるようで、息も少々荒かった。
「しかし、お前たちの方が限界だろう?」
 図星を突いてくるミュウツー。マリオたちは何も言わず、ただにらみつけるだけだった。
「そろそろ・・・。」
「?」
「そろそろくるぜ・・・。」
「?何のことだ?」
 急にマリオが意味深なことをつぶやきだしたので、ミュウツーは思わず動きを止めてしまった。
 マルスとロイは攻撃をやめ、ザコ敵も動かなくなった。
「お、おい!どうした!どうせ奴らのハッタリだ!気にすることはない!」
 急に静かになったことに気づいたガノンドロフがミュウツーのそばへ行く。
「いや・・確かに・・何かがくる・・・。」
 かすかに部屋の外から音がする。これは・・・。
「・・ヘリコプター・・・。」
「なんだ?外から・・?」
 たまらず外へ出ようとする。すると、いきなり天井が大きく開いた。
 上には何かの物体・・・ヘリコプターがあった。
「みんなーーー!!お待たせ!!」
 上から女性の声が・・・サムスの声がよく響いた。
「サムス!遅いぞ!!」
「仕方ないでしょう!!これを探すの大変だったんだから!」
 サムスはそう言ったときにはヘリコプターから降りていた。・・正確には飛び降りていたのだが。
「へばってんじゃねぇよ!フォックス!!」
「マリオ!しっかりしなさーーーーーい!」
「お待たせーーーーー!!」
「ぼくたちが来たからにはもう大丈夫だよ!」
「お土産も持ってきたわ!」
(ぼくらももう大丈夫だから!加勢にきたよ!)
 サムスだけでなく、ファルコ、ピーチ、ネス、ポポ、ナナ、ピカチュウが飛び降りてきた。
「む・・・なぜこれが・・。」
「それなら・・・俺が知っている。」
 困惑の顔をするガノンドロフにフォックスが口を開いた。

〜3日前。
「じつはこんな情報があるんだ。」
 フォックスが意味深に言う。
「この島のどこかにヘリコプター・・空を飛べるものがあるらしいんだ。」
「・・それが、今回のと何の関係があるんだ?」
 フォックスのセリフにマリオが怪訝そうに問う。
「確か最上階へ行く人数は10人以内と言ってましたよね?」
「・・・ああ。確かそんなことを言っていたな。」
「普通に行ってもいいんだけど、どうせならアイテムをたくさん積んでおきたいからね。」
「・・なるほど。できるだけ有利な方向へ持っていきたいしな。」
 マリオが納得する。
「・・それはいいけどよ。本当にあるのかよ。」
 ファルコンがうさんくさげに言う。
「さっきカギを探しているときに、こんなのを見つけました。」
 フォックスの手には、何かのカギがあった。
「ラベルがあるわ。・・ヘリコプターのカギ・・。」
「なんてわかりやすい・・・。」
 サムスがじっと見て、ファルコンがあきれた声を出す。
「でも、肝心のヘリコプターってのは、どこにあるんだよ。」
「それを3日間で探します。3日経っても見つからなかった場合は、突撃隊は先に動きます。残った人たちは それを引き続き探し出して、それから上へ来てほしいのです。」
「・・・ふむ。増援を用意する、ってわけか・・。」
「そうです。これなら敵の不意をつけるかもしれませんし、荷物ものせることもできます。」
「・・・やってみるのもいいかもな。フォックス。」
 マリオをはじめとする一同は、この方法を実行したのであった・・。

「と、いうわけで、かかれーーー!!」
 不意をつかれて統率がとれなくなったガノンドロフたちは、新たな増援を見て、少し、いや、かなり 動揺した。
 ザコ敵軍団は次々と蹴散らされていく。
「馬鹿な・・。こいつらはパワーアップしてあるんだぞ・・?」
「こんなのはメタルブロックで防御は上がるし・・。」
「うさぎずきんでスピードアップもできるわ!」
「・・クッパ、キモい。」
「黙ってろ!!!マリオ!!!!」
 スーパーキノコで巨大化したドンキーも、ザコ敵をどんどん蹴散らしていく。
「ミュウツー!さっさと新しいのをだせ!」
「・・・無理だ。あいつらの勢いで、数が追いつかなくなってきている。」
 続いて、やはりキノコで巨大化したヨッシーも奮闘している。
「・・・怪獣映画みたいだな。」
「しみじみ思っている場合か!」
 こんどは自分らが不利だというのに、ミュウツーはなぜか落ち着いていた。
「・・ファルコ。1ついいか?・・今、誰がヘリを操作している?」
「はぁ?そんなのピンク玉にまかせた!」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 しばらくの間、全員に沈黙が流れた。
 やがて、フォックスが深呼吸して言い出す。
「ファルコーー!!おまえこんな大事なことをカービィにやらせたのかよ!!」
「知るか!奴が『やりたい』とかいってくるからだ!」
 フォックスとファルコが言い合いを始めた最中、急にヘリコプターが動きを変えた。
 そして、一気に部屋へつっこんでくる!!
『う・・逃げろ!!全員逃げろーーーーー!!』
 一同は、先ほどから動かないマルスとロイ、気を失っているルイージ、それに檻の中のプリンを檻ごと抱えながら 部屋の外へ出ようとした。
 しかし、突撃してくるヘリの方が早かった。
どおおおおおおおおおおおおおん!!!
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ヘリが不時着し、しばらくはその場が静かだった。
 やがて、ヘリの中から2つの影が。
「あ〜、こわかった〜・・。」
 1つはカービィだった。さっきまで興味本位で操縦していたのだった。
(こわかった〜、じゃないよ!!ここさっきみんながいたところじゃん!)
 もう1つはピチューだ。のんきなカービィにツッコミを入れる。
(・・・みんなしたにつぶれちゃったのかなぁ・・・。)
 ピチューは急に悲しい気持ちになり、やがて大声で泣き出した。
(あーーーーーーーーーーーーーーん!!みんないなくなっちゃったんだぁ!!)
「バカ言うな!!俺たちはまだ生きてるわ!!」
 ピチューの泣き声に反応したのか、マリオがヘリの陰から姿を現した。
「あ〜、マリオさんだ!」
「マリオさんだ、じゃねぇ!もうちょいで全員ぺちゃんこになるところだったぞ!!」
 マリオは怒りながら、周りを確認する。
 すると、ほかのメンバーも姿を見せはじめる。ガノンドロフとミュウツーも、マリオの近くにいたし、ルイージ、 マルス、ロイ、プリンもほかのメンバーに抱えられていた。
「あ〜、やばかったぜ〜。寿命が一気に10年は縮んだな!」
「ファルコン!あんたものんきに構えていない!!」
 サムスがファルコンの頭を思い切りぶつ。
「いってぇな!いつもいつも叩きやがって!」
「あんたが悪い!!」
 ファルコンとサムスが毎度のようにケンカをはじめたそのとき。
「かーーーーーっと!!」
 機械的な声と共に、なにやら黒い物体が目の前に現れた。

「な・・なんなんだ?こいつは?」
 一同は謎の黒い奴(?)を見て、疑問に思った。
「・・・ちくしょう・・。ここまでか?」
「アア。ジュウブンダ。モウイイゾ。」
 ガノンドロフが起き上がったとき、黒い奴もミュウツー、マルス、ロイを起こし始めた。
「ん・・。あ、ゲームウォッチ。ここまでなの?」
 マルスも黒い奴・・ゲームウォッチとかいう奴に話していた。
 ロイもミュウツーもすぐに起き上がり、お互いに確認をとっている。
 一同には何がなにやらわからない。
「おい、もういいってよ。いつまでこんな所に入っているつもりだ?薄ピンク玉。」
(うるさいわね!出るわよ!それに薄ピンク玉って呼ばないでよ!ファルコ!)
 プリンが文句を言いながら自分で檻のカギを開ける。
 しかし、ファルコが来たときに、この場にいなかったプリンが、なぜかファルコの名前を知っている。
 数名が疑問に思っていると、さらにファルコがしゃべりだす。
「おめぇもだ!ルイージさんよォ!いつまで寝たフリしてんだ!」
「・・ひどいなぁ。べつに寝たフリしてたわけじゃないのにな。」
 ドンキーに抱えられていたルイージがいきなり目を覚まし、普通にしゃべりだした。
「る・・ルイージ・・おまえ・・?」
 マリオが目を丸くして、弟に問い掛けた。
「兄さん・・実は・・・。」
 ルイージが口を開こうとしたときに、別の方から声がした。

「そのわけは・・、我々の方から説明しよう・・。」

 声が聞こえる方を見ると、そこには大きな右手袋と、左手袋があるだけだった。
 一同が怪訝な顔をすると、ルイージがそっと声をかけた。
「この手袋・・、みんなをここに呼んだマスターハンドとクレイジーハンドだよ。」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ルイージのセリフに納得するまで、一同はしばらく時間がかかった。

「・・で、マスターにクレイジー、っていったよな。これは一体どういうことだ?」
 マリオがやや不機嫌そうに言う。
「ああ・・実は、お前たちがこの世界で過ごしているスマブラ荘というところに、お前たち以外にも くるはずだった。」
「・・ま、予想はつくけどな。」
「じつは、集合前日にある意見が出たのだ。」
「それはねぇ、初めてくる人たちの中から、前回いた人たちの力量を見たい、と言ってきた人たちがあったの〜。」
 マスターとクレイジーは交互に説明をする。
「へぇ。誰が?」
「マルスにロイ、ファルコ、ガノンドロフにミュウツーの5名だ。我々は彼らの用件を受け入れた。」
「どうせなら、そういう舞台づくりがほしいのよね〜。だから、彼ら以外にも、新しく来るひとたちを 2、3人ほど当日に荘へ行かせなかったの。」
「ピチューにこどもリンク、ゲームウォッチには少し手伝ってもらおうと思ったのだが・・。」
「え?ぼ、ぼく、何も知らされていなかったけど・・。」
(・・ぼくも。)
「荘に最初からいないメンバー全員がグルだと思われるわけにはいかなかった。だから、お前たち2人には 何も伝えずにおいたのだ。」
「敵を欺くには、まず味方から、ともいうしね〜。」
 クレイジーのセリフに、ちょっとちがうような・・・、とツッコミを心の中でしつつ、さらに話を聞く。
「なあ、マスター。力量をはかるなら、何もここまでおおがかりにしなくても・・。」
 ファルコンがもっともなことを言う。
「ああ、それならそこのプリンに言ってくれ。こいつが『なにかイベントみたいなことやりたい』とか 言っていたから。」
「・・・・・・。」
(・・・なによ。何か言いたいことでもあるの?)
「この大騒ぎの原因はお前か、プリン。」
(そうだけど?なんせ、とらわれのお姫様、みたいなのやりたかったから〜♪)
「・・私はいつもやってるけどね。」
 プリンのセリフに、ピーチは飽きたような一言を漏らす。
「それで、プリンにも当日に荘へ行かせず、彼らと共に計画に協力してもらったのだ。」
「でもよ、ルイージはどうなんだ?あいつは以前もいたし、特に疑問もなかったはずだが。」
 実にもっともな話である。
「彼にも少々手伝ってもらおうと思ったからだ。ここへ呼ぶ役をやってもらった。」
「ああ。確かに誘いに来ていたな。でも、何であいつなんだ?」
「ああ〜、それはね、彼、あんたたちにとって、どんな感じよ?」
 クレイジーに逆に問われて、一同は戸惑った。しかし、答えはすぐに出た。
「口うるさいが、俺たちのことをいつも見てくれていたよな。」と、ファルコン。
「面倒見がすごくよくて、俺たちはいつも助けられてましたよ。」と、リンク。
「だから、言っていることは信じる事ができるんだよね〜。」と、ドンキー。
「でしょ?だからこそ、あんたたちをここへ連れてくるのにうってつけだと思ったの!」
「なるほど・・・。で、さっきも言っていたが、ゲームウォッチの手伝い、とは?」
「それは〜、あんたたちとかの行動を、すべてカメラに撮ってもらっていたの。あとで映画みたいに 編集するから、やましいものはカットしとくわよ。」
「・・・か、カメラ?編集?」
 クレイジーが思わぬことを言っていたので、一同はさらに疑問に思った。
「そう。どうせなら、この展開を映画上映しようかなぁと考えたの。せっかく大掛かりな計画を立てたんだから。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「そ、それに、ルイージが持ってきた情報の中に、報酬があっただろう?その報酬はそこからだすぞ。」
 沈黙した一同に、気まずく思ったのか、マスターがしどろもどろになった。
「・・・ま、報酬とカメラのことはいいとして、そもそも何であいつらは俺たちの力量を見たいと?」
 マリオがマスターに聞く。
「それなら、直接本人に聞くべきだな。」
 マスターがそう言うと、マルスがこう言った。
「それは、誰がいるのか、どんな人たちがいるのか、すごく気になったからなんだ。」
「ぼくも。それらは知っておきたいな、と思ったから。」
 ロイも乗り出す。
「俺は、ここにいる奴がふぬけていないかを確かめたかっただけだ。」
 ファルコは素っ気無く言い放つ。
「俺も同感だ。」
「私もだ。だから、悪役を買って出たんだ。」
 ガノンドロフもミュウツーもファルコに同調する。
 いずれも理由がもっともだが・・。最後に気になっていた事が1つだけあった。
「力量を見たいだの、初めて来るだのと言っていたが・・。こいつらはまさか・・・。」
「・・思っている通り、彼らもスマブラ荘のメンバーだ。・・来るのは遅くなったが。」
 マルス、ロイ、ガノンドロフ、ミュウツー、ファルコ、こどもリンク、ピチュー、ゲームウォッチが カードを出した。それらは、スマブラ荘の証明カードだった。これがないと荘にはいられないとか・・。
「ふ〜ん。なるほど。部屋数がすごく多かった理由がわかったぜ。」
「マリオさん、納得するのは早いですよ。ねぇ、ルイージさん。」
「・・?どういうことだい?フォックス君。」
 フォックスが意味深なことを言うので、他のメンバーは怪訝な顔をする。
「とぼけないでくださいよ。ルイージさん、・・あなたもあるんでしょう?証明カード。」
「・・どうしてそう思うんだい?」
「ここへ来る前、あなたは一度俺たちの所へ来ましたよね?」
「うん。このことを伝えにね。」
「そのとき、あなたはこんなことを言っている。」

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「兄さん、カードの裏を見た?そこには荘の決まりごとや、カードの諸注意が書いてあるはずだよ。」
言われるままに、マリオはカードの裏を見た。
『このカードはスマブラ荘の身分証明書ともいえる。これがない者は荘の住人とは認められず、3泊したら強制的に立ち退いてもらう。』

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 これは、ここへ来る前に、サムスが「1泊ぐらいなら外部のものが宿泊しても問題ない」と言ったとき にマリオが疑問に思ったことを、ルイージが答えた、そのやりとりである。
「外部の人が、このカードの内容を知ることは普通はありえません。」
「でも、誰かがそのカードを見せているかもしれないよ?」
「いいえ。あなたはそこへ来てから全員のもてなしを受けています。全員があなたに話し掛けていましたが、 誰もカードをだしていませんでしたよ。・・あなたに言われてからカードを出したマリオさんを除いて。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「このカードの内容を知っている理由は、あなたも持っているという事になります。・・ルイージさん。」
 フォックスは次々に立証していく。
「誰かが漏らしたのかもしれないよ?それか、カードを落としたとか。」
「それもありえません。・・あなたは知らないでしょうが、実はここへ来る前に、みんなに聞いたんですよ。 このカードの内容を、ここにいる人以外に話したか、または、落とした事があるか、と。」
「・・・答えは?」
「最初の質問には、全員が「いいえ」でした。特に話す理由もありませんしね。で、あとの質問には、 ゼルダ姫がシークとして歩いていたとき、1回落としたと言っていましたが、それはピーチ姫が すぐに拾ってくれた、と言っていました。もちろん、ピーチ姫もそう言っていました。他には誰も 落としていませんよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ルイージさんだけじゃありません。プリンも。もっているんだろ?」
(・・・・・・すごいねぇ。よくわかったわね。)
 プリンはあっさり観念して、カードを出した。
「さすがだね。フォックス君。あの時はうっかりしてついしゃべっちゃったけど、バレずにすんだ、と思ったのにね。」
 ルイージも観念したか、カードを出した。
「確かに、僕もカードを貰っていたよ。・・あのときから。」
「は!?じゃあ、なんで言わなかったんだよ!!」
「・・あの時はまだマスターから『出すな』と言われていたからね。」
「じゃあ、あんたらも、向こうに来る、ということか?」
「・・・そういうことだ。・・私たちの説明で想像がつきそうなものだがな。」
 マスターは答える。これで全員そろった、と。

「しかし、心配かけるような芝居するなよな!・・・本当に心配したんだからな。」
「・・・ゴメン、兄さん。」
 マリオがたまらずルイージにしがみついたときに、緊張の糸が切れた。
ぐうううぅぅぅぅぅ・・・・・
 それは、ルイージの腹から聞こえてきた。どうやら彼のお腹が鳴ったらしい。
「ルイージ、お前・・・。」
「あ、ああ。実は、さっきガノンドロフが言ってただろ?『食事は一切与えていない』って。」
「ああ。そんなこと言っていたが・・まさか!」
「馬鹿言え。いくらなんでもそこまではしとらん。ただ・・。」
「ただ?」
 ガノンドロフがマリオの予感を否定する。そしてそのあとをルイージがつなげる。
「それなりに見せるために、1日1回しか食事していないから・・・。」
「そういえば、少しやせましたね。」
 リンクの言うとおり、確かに少しやせた・・・というより、やつれたと言うか・・。
「よし!それじゃ、今夜はバイキングといくか!!全員集まった記念パーティだ!」
 マリオが勢いよく言う。みんなも異論はないようだ。
「あと何日か残っているし、いろいろ買いあさるわよ!!」
 女性はここ数日のストレスからか、一気に発散しようとしている。
「まだまだ遊び足りないしね!!」
 子供たちは元気だ。こんな数日を送っていたというのに、まだ動く気らしい。
 何があっても全然変化なし。まあ、それだからこそ、彼らなのかもしれない。

 このあと、マスターたちが撮っていたという映画は、結末を何とかつなげた後、無事映画という形になったらしい。
 みんなはそれを1回見て、時には笑い、時にはあきれながら、その日々を思い出したという・・・。

 そして、最終日。そろそろ帰る時間となった。
「ね〜、ネス〜。」
「どうしたの?カービィ。」
「たのしかったよね〜?ここにいる間。」
「・・・そうだね。大変だったけど、すごくいい思い出になるよ。」
 2人がしみじみ思っているとき。
「おーい!2人とも〜!!」
「リンク君(小)がおいしいアイスを売っているところ教えてくれるって〜。」
 ポポとナナがやってきた。こどもリンクとすっかり打ち解けたようだ。
「アイス?いくいく!」
 カービィはすぐにポポたちのところに行く。
「まってよ〜。僕も行くって!」
 ネスも慌てて後を追った。
 ネスはここの出来事を思い出に刻みながら、みんなのほうを少し見た。
 これからも一緒だと思うと、なんだか嬉しくなるのだった。
 動物メンバーもアイス売り場にいて、楽しくアイスを交換し合いながら今までのことを語り合った。
 若者メンバーはもう船乗り場にいて、大人たちがゲームをしているのを見て、騒いだりしていた。
 大人メンバーは船乗り場で、出発する前にもしたように、ゲームでおおいに盛り上がっていた。
「あ、そろそろ時間になりますよ。」
「ここにいない、子供たちと動物たちを呼んでこないと。」
 フォックスが時間を見て、ルイージが立ち上がり、みんなを呼びに行こうとする。
「相変わらずだな。真っ先に自分がまとめるような行動をとる・・。昔からああだったしな。」
「ほっておくわけにはいかないだろ?」
 マリオのセリフに、ルイージは少しムッとしたらしい。
「やれやれ。まぁたあの長い説教をされる日々になるのかよ〜。」
「なら、説教されないようにすればいいんじゃないか?ファルコン君〜。」
「わわ、ちょっと待て!チョークスリーパーは反則・・ぐえぇ・・。」
 ぐったりとのびてしまったファルコンをほっておき、ルイージは外へ出て行った。
 もちろん、その場にいたメンバーに笑いの渦が巻き起こったのは言うまでもない。

「あ、このバナナアイス、おいしい〜!」
「フルーツミックスもいけるよ〜。」
 子供たちはまだアイスに夢中になっていた。
「お〜い!そろそろ行くよ〜!」
 遠くからルイージの声が聞こえた。
「あ、時間みたい。そろそろ行こうか。」

「また船かよ!俺は空がいいんだ!」
「贅沢言うな!航空機は船より高いんだぞ!」
 海を嫌がるファルコに、フォックスが一喝。
「ねぇ、ファルコって船、弱いの?」
 マルスがおもしろそうに聞く。
「ああ。あいつ空以外は全部苦手なんだ。すぐに船酔いするんだ。」
「ばっ、馬鹿!こらフォックス!なんでもしゃべるんじゃねぇ!」
「あはは、おもしろい鳥さんだねぇ。」
 追い討ちをかけるかのように、サムスが言う。
「鳥っていうなーーーーーー!!」

 最後まで大騒ぎ。やはり彼らにはおとなしくしていることには縁がないようだ。
 今回のことはきっと忘れる事ができないだろう。新たな出会いと思い出がたくさんできたのだから。
 ひとまず帰ったら、ゆっくり休もう。それから、アルバムにも新たな写真が増えたはず。今度じっくり思い返してみよう。
                                                 おわり。

終わったー!長かったー!!今回はさらに長かったと思います。
やっぱり長編は根気がいります。これで、全員がそろいました。忘れている人・・いないよね?(汗)
ちなみにドクターマリオとマリオは別々でいます。いっそそうしようかと;(矛盾直し見え見え;)
長くて途中から自分の頭が限界に達し、わけがわからなくなってきましたが、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!
余談ですが、マスターたちが撮ったみんなの活躍は、無事に映画になり、ヒットしたとかしないとか・・・(笑)